昨日はお葬式でした。すぐ裏のお宅のおじいさんが亡くなってしまったのです。これまでも、これからも毎日お世話になるご近所の不幸だけに、とても残念でなりません。
葬儀当日は、それまでの愚図ついた天気から一転、寒さは厳しいけど青空が高く広がる、この地方らしい素敵な天気に見守られました。葬儀の受付のお手伝いしかできませんでしたが、ただただご冥福をお祈りいたします。
さて、人の生活のあるところに、ついて回る冠婚葬祭。
これまで東京や京都、地方都市といろいろなところで生活してきましたが、冠婚葬祭でこそ、地域の特色が出るなぁというのが実感です。
ここ信州、それも信州の東の地方(東信)にきて、なかでも一番のカルチャーショックだったのは、葬儀告別式の「開始時間」です。
昨日も「正式な」告知時間は、13時開始。
普通なら、その時間かあるいは少し遅れたぐらいに、といったところですが、そこは大違い。
だいたい1時間前あたりから徐々に参列が始まって、30分前あたりがお焼香のピーク。「定時」の13時には終わってしまい、もう皆さん帰られているころ。

こちらに来て一番最初に参列する機会の際に、近所の方に教えていただいたから助かりましたが、こればかりは住んでみなければ分からない暗黙のルール。
また、葬儀をされてから出棺、火葬という流れと違い、お通夜(お弔い、という)の翌朝に火葬を済ませてから葬儀が営まれる「骨葬」というパターン。
さらに、葬儀を済ませた後、そのまま同じ会場で(ちょっと設えを変えて)初七日、続けて四十九日までの法要をしてしまうというのが一般的のようです。
なので、「正式な時間」通りにお焼香に伺った場合、その時間に行ってももちろん大丈夫ですが、親族や関係者の方たちだけが参列している、この法要のなかで恐縮しながらお焼香することとなります。
そして、その後に「灰寄せ」という、親族や関係者、そして近所の人たちも呼んでいただいた、60~70名出席の大きな会食が設けられます。故人を偲んで飲食をするという、お通夜の席と法事とが一緒になったような場でしょうか。
席も決まっていて、お料理も前菜からデザートまでフルコースをいただくという、同じ冠婚葬祭という括りでいえば結婚式の披露宴のようなイメージです。
さらに、「お通夜では香典は包まない」「生活改善方式という地域の取り決めがあって、香典は1千円とほぼ決まってる(灰寄せ出席の場合は1万円)」などなど。
そこに暮らす人々に密接にかかわる冠婚葬祭だけに、地域性が出るんでしょうね。これらの特色が当たり前のように感じるようになってこそ、その地域になじんできたと言えるのかもしれません。
今回はおかげさまで大変貴重な経験をさせていただきました。