死活問題

今、「業界」で大きな問題が持ち上がっている。

ここでいう業界とは、「少量多品目の野菜を栽培し、旬の野菜をセットにしてご家庭に宅配でお届けしている全国の農家さんたち」。

 

今月に入り、全国一斉に宅配便の大幅な値上げが通告され始めているのだ。

 

どんなに美味しいやさいが作れても、どんなにお客さんが買ってくれても、

それがみなさんの元に届かなくては意味がない。そんな“生命線”ともいえる

宅急便だけに、そこでの大幅値上げは経営に大きく関わる死活問題。

これまで、年間千箱を超えて発送しているので、業務契約というかたちで、一般の料金体系とは違う契約をしてくれていたのが、今回それを一方的に打ち切られるような通告。その値上げ幅たるや。。。

たしかに、宅配便業界を取り巻く環境を大きく俯瞰してみると、収益体制や経営方針の変化が余儀なくされている状況だというのも分かる。

ましてや、昨年秋に某A新聞が「クール便の荷物の積み替えが常温下でやっていた!」みたいな、自己満足でしかない“スクープ記事”が出たことで、社としても対策、設備投資を取らざるを得なくもなった面もある。

(ちなみに、新聞業界に長く身を置いてきたが、この記事ほど阿呆な「抜き」ネタは見たことない。だってクール便って言ったって、そもそも営業所に運ぶまではクールじゃないし、現実問題として超巨大な冷蔵庫内で仕分け作業するなんて無理なのは、みんな分かっていること。

もちろん、冷蔵じゃなくて「冷凍」が溶けちゃってるのが連発、みたいなのは問題だけど、「クール」なんだからある程度は織り込み済み。

それを鬼の首を取ったかのよう、動画までつけて報道するなんて。。。
ブツブツブツ。。。)

まぁ経緯はともかく今は、どうするか?という問題。

幸いというか、このエリアには新規に就農して、同じように個人宅配をメインにした農家さんが多い。なかでも研修させていただいた“師匠”ら先輩農家さんたちは、出荷量もとても多い。そういう出荷量の多少にもかかわらず、今回は一律の値上げ。

 

なので、地域で「共同戦線」を張ることとなった。

今までは、一番「ちゃんとした宅配」をしてくれる1社でしか契約していなかったが、同業他社にも相見積もりを依頼することとなった。
今のところ、合同した農家さんの年間出荷数は2万箱を大きく超えるほど。このボリュームを背景にしつつ、粘り強い交渉をしていくこととしている。

 

一方で、これまでの料金体系維持は無理、値上げは必至だろう。。。

 


ただでさえ、この春からは消費税アップ(来春も!)で、

「税込、送料込み」でやっていたウチは、このままの価格設定では厳しい状況となります。

・・・誠に申し訳ありませんが、宅配送料の交渉の方向性が見え次第、
料金体系の改訂をさせていただくことになるかと思います。

何卒、事情をご了承いただき、宜しくお願い申し上げます。