24日午前6時半ごろ、長野県佐久穂町の自然農園「空やさい」の畑で、やさいたちが食い殺されているのを農園主の安藤さん(40)が発見。現場には不審な足跡が多数あることなどから、「空やさい」では殺“やさい”事件と断定、捜査本部を設置した。

捜査本部によると、やさいは広範囲で食い散らかされており、特にトウモロコシ、サツマイモ、キャベツ、レタスの被害が大きいという。新芽を食いちぎられたり、根ごと引き抜かれたりしていた。
やさいの葉や切り口がまだ青々しいことなどから、23日夜半から翌朝にかけての犯行とみられている。また、現場には10センチ前後の不審な足跡が多数発見された。鑑識が調べたところ、複数のシカの犯行と断定された。
安藤さんによると、今年は空梅雨で雨が降らず、やさいたちがなかなか大きくならなかった中、ようやく生長してきた矢先の被害だったという。通り魔的犯行に安藤さんは「大変悔しく憤りを覚える。今後は断固対処していきたい。一刻も早く犯人を捕まえてほしい」と怒りに拳を震わしていた。

夕方には早速、サツマイモが植えてある部分を中心に、周りに杭を打ちネットを張って侵入を防ぐ対策を講じた。「今後さらに被害にあうようならば、法的処置も辞さないつもり」(安藤さん)。
現場は佐久穂町畑の集落「佐口」から、西へ約400メートルの田畑が広がる地域。今春に借りたばかりで今季から初めて耕作を始めた、片側に山林が広がる畑で被害にあった。(了)