人生、何があるか分かりません。
昨今は特に、多様化複雑化した先の見えない社会情勢。安泰と言われた大企業が一転して不振に喘いだり、地道な活動が一気にブレークしたり。。。
そんな「一寸先は闇」がやさいの世界でも存在するようです。
先日の季節外れの、春の大雪。
翌朝、恐々と被害チェックに畑を回りました。マルチに穴を開けて定植していたスティックブロッコリー、白菜などは、なんとか無事に乗り越えてくれたよう。ひとまずホッと一安心。

一方で、明暗が分かれたのが、キャベツでした。
右の写真のように、かなり押し潰されてしまいました。
一番手前の苗は、メインの茎が完全に折れてしまって、再生不能でしょう。他のコたちも、葉が折れたり曲がったりと満身創痍。
これからは個々の苗たちの生命力、生きようとする力を信じるしかありません。
そして、ココが皮肉なところなんですが、折れてしまったりダメージを受けた苗ほど、これまで順調に大きくなっていた苗たちなんですね。一緒に種まきをした中でも、優秀に育っていたエリートたちが、真っ先に畑に投入されていた訳です。
また、まだ氷点下にまで下がる気温から守るため、露地に植えられた苗たちには、下の写真のような「寒冷紗」という“布”をかけてあるんです。

この薄い一枚の布、これがあるとないとでは大違い。朝の冷え込みも、冷たい北風もこの1枚で防いでくれるため、この下の苗たちはヌクヌクとスクスクと育っていました。
一方、写真の奥にいるんですが、ちょっと布が足りなくて、泣く泣く「お布団」をガマンしてもらった苗たちがいます。同じに育って、同じに植えられたのにこの待遇差。「贔屓だー!」「差別だー!」という非難轟々のなか我慢してもらったコたち。当然、生育は遅れていました。
しかし、ここからが一寸先は闇。
今回の春の重たい雪。この布の全面に降り積もり、下のコたちはその重さによる圧迫で瀕死状態。恵まれた生育環境で大きくなっていただけに、大きければ大きいほど潰され方も大きく、ダメージ甚大でした。
一方で、布を掛けてもらえずに“冷遇”されていた苗たち。
雪が融け顔を出した時、みんな元気でした。ダメージを修復する必要がないため、これから暖かくなるほどに彼らが先に大きくなるかもしれません。
・・・今回の4月下旬の大雪。各地で観測以来もっとも遅いなど、いくら信州でもこれは相当稀なケースだったよう。誰にとっても想定外でした。
人生もやさいも、幸も不幸も、その先に何が待っているか分かりません。。。