農村医療

住んでいる町で、今年の集団検診があったので初めて受けに行ってみた。会社勤めの頃は、毎年当たり前のように健康診断があったし、健康保険の補助を受けて人間ドックとか受けれたけど、自営業になると身体のメンテナンスも自前でやらなきゃいけないわけですね。

 

実はいま住んでいる佐久穂町、合併前の八千穂村は、全国に先駆けて住民の全戸健診を実施したことで有名だそう。隣りの佐久市(旧・臼田町)に佐久総合病院という、今やドクターヘリも備えている超~大病院があるんだけど、そこがまだ小さな病院だったころに、昭和30年代に若月先生というドクターが赴任してきて、その人が農村医療を確立し、当時はなかった「予防」という考え方を推進。それが劇的に効果を挙げ、町全体に広がり、県、そして全国へ広がっていったというわけ。

(詳しくはこちらでhttp://ja.wikipedia.org/wiki/若月俊一

 

ちなみにもっと言うと、農村医療を始めたとはいえ、最初はどこの集落も「そんなの必要ない」と若月先生も断られていたらしい。それを「その話やってみよう」と唯一手を挙げたのが、今住んでいる集落なんだって。

若月先生は6年前に亡くなられているんだけど、集落の飲み会では度々、長老の皆さんから「若月先生が来てさー」「今の佐久病院があるのは、ここの集落のおかげさー」と誇らしげに語っています。実際、ナースとして佐久病院に働いているお母さま方、すごく多いしね。

 

で、そんな“集団検診発祥の地”の健診を受けてみたのです。

そしたら、これが手厚いんですよ。行政のやる健康診断を受けたことがなかったから比較できないんだけど、それと「発祥の地・先入観」があるからかもしれないんだけど、すごくしっかりした健診でした。

 

まず一人一冊、写真の健康手帳というのを作られます。初めて受けた自分のはまだペラペラだけど、一緒に受けていた人生のベテランの方々(平日午後に健診を受ける人は、すっごく年上の方ばかり)も皆さん持参されてるんだけど、パンパンになるほど分厚くなってる。これまでの健診はもちろん、病院に通ったり、入院されたりといった医療記録を、皆さん全部ファイルにとじ込んでいるんだって。

 

健診の内容も、血液検査から尿検査、心電図、医師による検査といった基本メニューに加え、骨粗しょう症の検査や歯科検診、歯の磨き方や食べ物の取り方といった栄養学の座学まで、それはそれは充実の内容。すぐに終わると思っていたら、思いの外、時間がかかってしまいました。

 

すごいねー。今はどこもそんなにやってくれるのかな?

2012年の都道府県別平均寿命ランキングで、男性1位は長野県。女性も5位。複合的ないろいろな要因があるんだろうけど、その1つであることには違いないなぁ、と思いました。

 

ちなみに自己負担は1000円でした。。。スバラシイ。