ありがとう、トマト

ついにトマトたちを完全撤去し終えました。

 

思えば、まだ凍てつく寒さだった「311」に、ほんのゴマ粒ぐらいの大きさのタネを撒き、約2カ月かけて苗にして、GWに定植

 

その後は病気になることもなく、順調に大きく育ってくれて、7月中旬ごろからミニトマトが採れはじめ、そして夏の盛りには、真っ赤に完熟したトマトが「旬のやさいセット」の文字通り、旬の主役として出荷を支えてくれました。

 

一時はあまりに好調に採れすぎてしまったこともあり、「夏のトマト便」というかたちで出荷をはじめ、それも多くの皆さんに、それもリピーターになっていただくほどに、受け入れてもらいました。

 

しかし、栄枯盛衰。短い夏が終わり、徐々に気温が上がらなくなってくると、色づきも遅くなり、収量も減り、そして味も薄くなってきてしまいました。

 

旬には「はしり」「さかり」「なごり」がありますが、まさに名残り惜しく、採れなくなりつつもなんとか延命してもらってきました。

 

しかし、それも今月に入り、いよいよ決断の時が来ました。

背丈を越える高さからは、横へ誘引して伸ばしてきたので、全長では4m以上になるでしょうか。それほどにまで大きくなった幹にはまだ青いトマトがビッシリとついていました。しかしこれから寒くなるなか、それらの青トマトはもはや赤くはなりません。

ハウスの天井から吊っていた紐を切ると、実をたわわにつけ重くなった幹がドサリと横たわります。そしてしっかりと大地を掴んでいた根を力いっぱい抜きます。

 

太いのから細いのまで、長いのから短いのまでビッシリと白く伸びた根こそが、「縁の下の力持ち」ではないけれど裏方に徹しながら、黙々と土から水を、栄養を運び続け、あの美味しい、濃厚なトマトの実を支えてきたわけです。

 

最後に、抜いたトマトの幹をハウスの外へと運び出しました。その重さ、かさばり、まだなお幹の放つ香りは、撤去してからだいぶたっても今もしっかりとこの手に残っています。

 

 

撤去作業は、ホントひたすら感謝しながらでした。

まだまだ未熟な技術にもかかわらず、よくも無事に大成してくれたな、と。ただただ、「ありがとう」と思いました。

 

本当にありがとう。

そして、また来季、よろしくお願いします。